いよいよ「契約の儀」の日がやってきた。
でもその前に、売買契約までにいくつかのステップを踏む必要があった。


契約前の手続きいろいろ

まずは売主さんとの顔合わせ。
不動産会社の会議室で初めて対面し、契約に向けての事務手続きが行われた。

ここで必要だったのが「手付金」。
現金を封筒に入れて、売主さんへ直接手渡す。

この瞬間、あらためて実感する。
「これ、もしキャンセルしたら返ってこないんだよな…」
頭の中に赤文字で「リスク」という言葉が点滅する。
でも、逆にいえばここで腹を括らないと前に進めない。
いよいよ不動産投資の世界に片足を突っ込んだ感覚だった。

さらに、不動産賃貸管理会社からの説明も受ける。
「このまま賃貸に出す場合は、管理はぜひうちにお任せください」
管理手数料の仕組みや、入居者募集の強みをアピールされる。
正直、他社を比べる余裕もなかったが、購入先の会社の情報量と信頼感で、そのまま任せる決断をした。

そして忘れてはならないのが火災保険
これがなければ正式な売買契約は進められない。
火災だけでなく、地震や水漏れなども考慮してプランを検討。
「ここでケチると後悔するかもしれない」と思い、結局おすすめプランをそのまま選択した。


契約当日 ― 銀行へ

そして契約当日。
平日なので、会社に休みをもらい、スーツを着て銀行へ向かった。

銀行の会議室には、

  • 不動産会社の担当者
  • 売主さん
  • 司法書士の先生
  • 銀行の担当者

というメンバーが一堂に会する。

目の前に積み重なる書類の山。
一枚一枚、説明を受けながらハンコを押していく。
途中から、「もう全部信じるしかない」という心境になり、半ば作業のようにペタペタと押印。

不動産の契約は「一大イベント」というよりは「粛々と進む儀式」という感じだった。
手続き自体は意外とあっさりしていて、1時間もかからなかったと思う。

その後の流れは司法書士の先生にバトンタッチ。
登記の申請や必要書類のやり取りはすべて先生が代行してくれる。
そして数週間後、自宅に登記簿謄本が届けば正式に「不動産オーナー」となる。


契約を終えて

こうして、あれよあれよという間に手続きが進み、気づけば私は不動産オーナーになっていた。
手付金を支払い、保険に加入し、契約書にハンコを押した瞬間、後戻りはできない。

「ついにここまで来てしまったか…」
嬉しさと不安が入り混じる中、人生の大きな節目を迎えた気がした。